教員インタビュー林志津江先生(前編:研究分野と大学時代について)

新任教員・林志津江先生にインタビューをしてみた!

こんにちは! この度、法政大学国際文化学部学生広報委員に 就任しました4年生の内山一文です。 今回は、今年新しく入ってきた 林志津江(はやししづえ)先生に インタビューをしてきました。 果たして、どんなお方なのでしょうか? 内山は、主に林先生の研究分野と 大学時代について伺ってきました。 早速、その報告をします。

林志津江先生のプロフィール

・大阪府生まれ、滋賀県で育つ
・立教大学文学部ドイツ文学科卒業
・立教大学大学院文学研究科博士課程前期課程修了
・同後期課程単位取得退学
・博士(文学)
・2016年4月法政大学国際文化学部に着任

専門

・ドイツ語圏文学(近現代抒情詩)
・文化理論(文化的記憶論、メディア論etc)
・表象文化論
・日独文化交流史

担当授業

・ドイツ語
・ドイツ語アプリケーション
・ドイツ語圏の文化Ⅰ
・映像と文学
・表象文化演習
(ポピュラー音楽の系譜)

著書

【著書】 『ドイツ文化55のキーワード』(ミネルヴァ書房、2015年) (分担共著)など

インタビュー内容

Q1.林先生の研究分野について教えてください


ひとつはドイツ語文学、主に抒情詩・現代詩に関するものです。特に詩を言語(詩)そのものを通じてだけではなく、その外側からも、すなわち他のメディアと対照的に比較し考えるという方法を模索してきました。

具体的には言語V.S.図像(絵画、写真)、言語V.S.音楽といったことですが、この方法そのものが今ではさらに大きくふくらんできて、もうひとつの柱である表象文化論、文化理論研究というかたちになっていると同時に、私が現在国際文化学部で担当している演習(ゼミ)や講義内容と直接つながっています。
詩は個々の語の意味や言葉の使われ方がクローズアップされる文芸ジャンルです。ですから、私が考えているのは、究極的にはコミュニケーションの問題です。私は、「言葉がそもそも、いかに伝わりにくいか」という感覚について考えるのが詩だと思っています。

Q2.今振り返ってみると、学部専攻での学びは大学生活全体の中でどのような意味を持っていたように思われますか

もともと音楽が大好きで、特に洋楽を歌詞カード片手に聴いているような毎日でした。そして、大学3年次に履修した「詩の解釈理論」についての授業で、「詩の言葉の意味を考える」という作業を繰り返すうちに、「解釈」とは、言葉と対象に責任を負う行為であり、単純な好き嫌いの話ではなく、論理的に相手を納得させることなのだと知りました。そしてこのことが音楽について、特に音楽批評に対して感じていた疑問と結びつきました。大学院に進学したのは、自分にとってとても大切だった音楽と、学部専攻での勉強が強く結びついていることに気づいたからです。

Q3.林先生にとって留学とは?

大学院の博士前期課程の時、ドイツ西南部にあるテュービンゲン大学に留学しました。自分を「日本人」ではなく「アジアの人」なのだと感じたのはこの時が初めてでした。それは「日本人である私」をドイツ人の視点で見てみたということなのですが、それと同時に、「日本語が母語の私がなぜわざわざドイツ語圏の文学を研究するのか、それに何の意味があるのか」という疑問にぶつかりました。そんな中で大きな支えになってくれたのは、授業で出会ったドイツ語話者の友人たちです。彼らはドイツ人だったり移民の背景を持っていたりと十人十色ですが、中でも、外国文学や外国語(彼らにとっての)を学ぶ友人の存在が励みになりました。

彼らとのやりとりを通じて学んだことは本当に大きく、もしあの時留学していなければ、今こうして日本語話者のドイツ語圏文学研究者として私が教壇に立っているということは決してなかったと思います。

↑留学中の写真(Stuttgartにて撮影)

Q4.外国語学習において大事なことを教えてください!

日本語に「訳して」外国語を理解するのではなく、 言葉の機能を考えましょう。つまり文法です! 英語やドイツ語などといった言語には、 それぞれの文化、モノの考え方が反映されています。 例えば、英語では”This is a pen.” 、ドイツ語なら”Das ist ein Stift”ですが、どちらの言語も名詞を冠詞とのセットで考えています。私たちは日本語でa=「ひとつの」、pen=「ペン」とすぐに置き換えてしまいがちですが、そこでちょっと立ち止まってみて下さい。

実は”a pen”の不定冠詞とは「世界の中にあるペンのうちどれを指すのか?とりあえず、どれでもいいから『ひとつペンだ』」ということを考えているのであって、元々”a”には「ひとつの」という意味があるという理解だけだと、少し違います。

日本語には、「世界」と「モノ」との関係を文中で示すという発想、すなわち冠詞という機能がないですよね。そして日本語にも英語やドイツ語にはない品詞・発想があります。助詞などがそうですね。この差異を意識できているかいないかは、大きな違いです。そしてこのように、言語を構造で考える練習をすることで、作文の能力は格段に上達します。

「言語のメカニズムを知っている」ことは「しゃべれる人」の条件でもあります。ですからまずは、外国語の文法用語に少し目を向けてみて下さい。

Q5.大学で学ぶ意味を教えてください!

なんといっても、「失敗できる自由がある」 ということでしょう。 社会人になると、労働の対価として賃金が支払われる。つまり、「お給料をもらっている中での失敗」は、社会にとって大きな損失になるかもしれません。でも大学生が大学の中でしでかす失敗は、せいぜい自分にしか影響がないのではないでしょうか。

ですから大学生のうちは、むしろ積極的に何にでもチャレンジして、自分の限界を知ろうというくらいの気持ちでいてほしいです。

Q6.林先生が人生で大切だと思う 3つのことについて教えてください


【その1:焦らない】
誰だって他人の評価は気になるものですよね。でも、辛抱すること、ちょっと堪えることも大事です。今はすぐに結果がでなくても、自分を信じて邁進することで見えてくることがあります。そして、受験生のみなさんも、本番に実力を発揮できればいいのですから、苦しいことは次の瞬間には楽しい想い出です。辛いときは少しリラックスしましょう!

【その2:自分には見えていないものが あるかもしれない事を意識する】
今、自分が相手をしている人が本当に自分の想像通りの人とは限らないですよね。例えば、私は教員で、日々学生さんと接していますが、学生さんにも知れば知るほど様々な面があります。でも、それはきっと私の知っている「その人」のすべてではないですよね。私はいつも大学の中でも、そういうことを忘れないでいたいなと思っています。難しいですけどね!

【その3:天も地も人も恨まない】
これは、田中角栄の言葉なのですが(笑)、私がここで教鞭をとるのも、あなたが法政大学国際文化学部に入学するのも、すべては自分の選択によるものです。ですがそもそも、私を、あなたをここへ導いてくれたのは「天と地と人」です。
法政大学での日々を自分にとってすばらしいものにできるかどうか、それはあなたが、私が「自分で選んだんだ」ということを意識できるかどうかで全く違ってくるのではないでしょうか。人のせいにしてしまう人生は、つまらないです!

最後に

いかがでしたでしょうか? 林先生のインタビューから、 単純に林先生について分かっただけではなく、 大学で学ぶ意味や勉強の面白さ、 留学で得られるモノがにじみ出ているような気がします。 次回は、同じく学生広報委員のHさんが、 林先生の受け持つ授業について をインタビューから紐解いて いきます。 こうご期待!

(作成:内山一文)

インタビュー

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