教員インタビュー林志津江先生(後編:先生にとっての国際文化学部)

新任教員・林志津江先生にインタビューをしてみた!(後編)

こんにちは!国際文化学部学生広報委員のHです。今回も、前回同様林先生へのインタビューの報告をしていきたいと思います!後編は林先生が受け持っているゼミについてと先生にとって国際文化学部とはどういったところなのかを伺いました。そして、最後には受験生へのメッセージもあります!

インタビュー内容

Q1.林先生の演習(ゼミ)の内容を教えてください

「個性派揃いの林ゼミメンバー」

ポップカルチャー、とくにポピュラー音楽についてですね。

演習は、音楽コンテンツの制作ではなく、音楽と社会、とりわけ私たちの身の回りにある、社会の営みの中で芸術や文化現象が成立する様について考える作業が中心です。
皆さんのなかには、芸術や文学をどこか、芸術家なり作家なりの個人的な世界観のあらわれだと思っている方もおられるかもしれません。ですが芸術や文学もまた、作り手が社会と接触する中で実現する社会的構築物で、政治や経済といった要素抜きでは存在しえない現象です。
そしてその一番わかりやすい例のひとつが、ポピュラー音楽です。なぜならポピュラー音楽は、そのはじまりがすでに商業音楽で、人間の消費活動の拡大とともに成長したというだけでなく、録音技術やラジオ、テレビなど、情報や通信に関わるメディア技術の革新がなければ、そもそも誕生しえなかったメディアだからです。
また演習では、人間の価値観やコミュニケーションといった基本的な問題を考えます。音楽は嗜好品です。人によって好き嫌いもあり、そこに人間の価値観が反映されます。例えば日本の誇る「アイドル」について考えるとき、そこには個人の価値観とともに、日本の人々が無意識に何を大事だと思うのかが透けて見えます。ですから、日本や韓国で「アイドル」が活躍しているのは、どういう社会に生きていたらどういうことを大事に思うのか、どういうものが大事じゃないと思ってしまうのかという、人間の思考と行動の結果でもあるのではないでしょうか。私たちは音楽を通して、究極的には人間と社会を見ているんです。
もちろん、クラシック音楽が 最初から「クラシック」(古典)だったわけじゃないですよね。言葉の意味から考えれば、むしろベートーヴェンの「第九」のような曲こそ、「ポピュラー」(大衆)音楽だと言えるのかもしれません。
ただ、いわゆる商業音楽としてのポピュラー音楽には、現在の私たちが「クラシック音楽」と理解しているものにはあまり見られない特徴もあります。
例えば、音楽には興味がない、テレビは見ないという人でも、バイト先のカフェで流行りの音楽を耳にする、ということはあるかもしれませんよね。そうすると、「この歌のことは何となく知っている」といった記憶の形成が可能になるわけです。
さらに流行歌は、「この歌が流行っていた頃、私は〜だった」「この歌を中学卒業の年に聴いたという人は、私とは同級生だ」というように、記憶の共有、さらには仲間意識の形成を可能にします。どの歌を記憶しているかということに、ライフステージやライフスタイル、世代や年齢の差が色濃く反映されるわけですね。
一方で、例えば日本での「第九」の浸透には、学校教育やマスメディアの果たしている役割が大きいでしょう。誤解を恐れずに言えば、クラシック音楽の知識が、趣味や教養の問題として理解されがちなのに対し、あるアイドルの大ヒット曲を知っているかどうかは、趣味というよりも、世代や育った場所、ライフスタイルの差として理解される傾向が強いのではないでしょうか。ポピュラー音楽は、アイデンティティの形成に関わりうるという意味でも、興味深いメディアです。

↑「ゼミ活動風景。学会に向けて準備中」


Q2.担当している講義の中で印象的だったことを教えてください

自分の研究で詩を読んできたことと関係があるのかもしれませんが、学生さんたちが、自分の考えを説明しようと頑張っているところを見ると、すごくよかったなと思います。何かをうまく伝えられる能力はもちろん重要ですけど、その前段階の、上手く言えないもどかしい瞬間が、私にはいちばん大切なことのように思えます。
例えば学生さんたちが、ゼミなどで「うまく言えないんですけど」みたいに、慎重に言葉を選んでいる瞬間を見るたび、私は「この人はたったいま、自分で何かをつかんでるんだ」と思ってすごく嬉しくなります。ドイツ語の授業でも、私はペアワークやグループワークの風景が好きです。いざお隣さんに文法を説明しようとすると、案外それが難しい。ですが、「ちょっとうまく言えない、でも」と思っている時にこそ、その人は前進しています。なので、自分の思考や理解の道筋をアウトプットするというところで試行錯誤しているのを見ると、すごく頑張ってるなと思いますし、言いよどむところまできたら、もう大丈夫なんです。その人には言いたいこと、自力でつかんだものがあるんですから、あとは言い方を練習するだけです!

Q3.林先生が考える国際文化学部の魅力とは

一言で言うと懐が深いと思います。どんなことに興味があっても、何かしら得られるものがあるんじゃないでしょうか。
例えば、私の担当するゼミもそうですが、「音楽って何なんだろう」っていう素朴なところからも勉強を始められます。例えば伝統的な大学の枠組みだと、音楽って何なの、じゃあカントやヘーゲル(注:ドイツの哲学者です)の美学を学びましょう、といった順序になります。もちろん古典を通じて見えるのは現代の姿ですから、これは単に順番の違いなのですが、勉強を身近な話題からスタートできるゼミがあり、ゼミの種類が豊富なことは、大きな魅力だと思います。
またカリキュラムの作られ方にも幅があります。四つのコース選択ができると同時に、全てのコースから横断的に科目履修できることもそうですし、SA(学部の海外留学プログラム)先が7言語圏に広がっていて、英語圏の留学先の選択肢も幅広く用意されています

Q4.国際文化学部へ受験を考えている受験生へメッセージをお願いします

林先生からのメッセージはこちら(実際に音声が流れます)

最後に

いかがでしたでしょうか。林先生について、また国際文化学部のいいところをたくさん紹介できたのではないかなと思っています!
次回は我々広報委員が国際文化学部を紹介していきます!

インタビュー

コメントを残す