教員インタビュー 渡辺昭太先生(後編:国際文化学部での大学生活と受験生へのメッセージ)

渡辺昭太先生にインタビューをしてみた!(後編)

前回に引き続き渡辺先生のインタビューです。国際文化学部卒業生でもある渡辺先生に、SA(スタディ・アブロード)やゼミなどの大学生活を中心に伺ってきました。そして、最後には受験生へのメッセージもあります!

SA中にお世話になったアドバイザーの方との写真

Q1.渡辺先生は国際文化学部出身と伺いましたが、進学を決めた理由は何ですか?

色々な偶然が重なった結果なのですが、実は私は岡山県倉敷市出身で周りに法政大学出身の方が多くいました。一例ですが、私は高校で英語の専門コースに通っていたので英会話を習っていました。その英会話の先生の旦那さんが法政大学出身だったのです。それから高校の時の国語の先生に、法政への進学を検討していることを話したところ、他の高校に勤めている法政出身の先生を紹介してくださり、お話しを伺う機会を得ました。こういった方々に話を聞いてみると、法政は良いところだと勧めてくれ、また国際文化学部という学部では留学が確実に行けるということで進学を決めました。

Q2.どのような学生生活を過ごされましたか。印象に残った出来事などを教えてください。

4期生ですので私が入って初めて国際文化学部に4学年が揃いました。
4年間を通じて、大学内あるいは学部内で活動することが多かったですね。大学1年生の時からオープンキャンパスの学生スタッフとして活動し、学部紹介プレゼンテーションや在学生による座談会、受験生との個別相談などを担当しました。SA期間以外はほとんど参加していました。
また、国際文化情報学会の運営『異文化(※1)の編集などを行う学生役員の活動もしていました。サークルやアルバイトよりは、大学や学部に関わる活動が好きで仲間と活動していたのが思い出として残っています。
それから、先ほどもお話しましたが、ゼミでは、中国語の教材開発を研究テーマにして活動しました。4年生になると、大学院の受験準備のために勉強したり、中国語の文法(可能を表す助動詞の用法)をテーマにした卒業論文の執筆も行いました。学部に軸足を置いた4年間でした。様々な行事で学生スタッフとして活動した期間が長かったので、友達も比較的多く、大変刺激のある4年間でした。

※1 『異文化』:毎年、国際文化学部で発行している論文集

Q3.国際文化学部の特徴と言えばSA(スタディ・アブロード)ですが、SA先での思い出などを教えてください。

SA中国の4期生は、そもそもSAに行けるかどうか分らなかったのです。当時、新型肺炎のSARSという病気が流行っていたからです。SAは9月からスタートしますが、その年の冬~春頃にかけて、中国ではSARSが流行していました。そのため、SA中国の学生を対象とした説明会や、感染症の専門医を招いたセミナーが行われました。ぎりぎりまで行けるかわからない状態でしたが、その後、SAに行けることになり、バタバタしましたが無事SAを開始することができました。

SA中の思い出ですが、平凡かもしれませんが、授業や日常生活が一番思い出に残っています。現地での授業は、主に、4種類の授業があって精読(総合中国語)、会話、リスニング、HSK(中国政府公認の中国語能力試験)対策の授業がありました。
どの授業も、担当の先生が非常に素晴らしい方だったのですが、中でも精読とHSK対策の授業を担当してくださった担任の先生はとても印象に残っています。まず、発音が非常に聞き取りやすい上、その先生の話は内容が全て理解できるのです。おそらく、留学生がわかりやすい表現を用いて、必要なことを過不足無く説明してくださっていたのだと思いますが、本当に教え方の上手な先生でした。また、その先生は絵がとてもお上手で、我々の知らない単語などがあると、黒板に見事な絵を描いて説明してくださいました。特に、歯磨き粉の絵とあずまやの絵がとても印象に残っています(笑)。
会話の先生はとても豪快な方で、よく笑ってよく話す方でした。積極的に学生が話せるような、明るい雰囲気を作るのが上手な先生でした。
リスニングの先生は、毎回中国語の新聞の中から我々が興味を持ちそうな話題を紹介してくれたのがとても印象に残っています。
実は、精読を担当してくださった担任の先生とは、大学院で留学に行ったときに再会し、一緒に食事をしました。すでに退職されていましたが、とてもお元気そうでした。

SA先で実際に使用していた教科書。英語で説明が書かれている部分もあります。

また、授業以外の時間には、日本語を学習している中国人学生と相互学習をやったりしました。確か毎週火曜日の夜8時ぐらいに大学の食堂に集まって、相互学習をやっていましたね。だいたい常時10人くらい、多いときには20人近く集まっていたと思います。ただ、食堂は営業が終わると電気が消えて真っ暗になってしまいます。夜8時は営業が終わっていて真っ暗なんですよ。それにも関わらず、学生たちが真っ暗の食堂に集まって外の街灯の光とろうそくを明りにして一緒に勉強したりおしゃべりしたのは良い思い出として残っています。
また、選択制の共通講座で太極拳を履修し、他国の留学生とも交流しました。

それから、私は街歩きが好きなのですが、上海でも一人で地図を片手によく歩きました。上海では、全ての道に「○○路」という風に名前が付いているのですが、地図で面白い通りの名前を見つけては、そこに行ったりしていました。観光地ではないのですが、単にそうした様々な道を歩きに行くということをやっていましたね。ちなみに、上海の道は概ね、南北に延びる道には中国の省の名前が付いており(四川路、陝西路、河南路など)、東西に延びる道には中国の都市の名前が付いているんですよ(南京路、北京路、大連路、福州路など)。

上海市内の観光地にもほとんど行っていると思います。一番有名なところですと、黄浦江という川沿いにある昔の租界(中国にあった外国人居留地)にあるヨーロピアンな建築や川を挟んだ反対側にあるテレビ塔などの高層ビルを見ました。

あとは、北京や西安、杭州、南京、蘇州などを旅行したことも良い思い出です。上海から離れていて行く機会が少ないのですが、SAプログラムの旅行を利用して、色々な場所を見に行けました。町によっては雰囲気がずいぶん違いますね。上海は結構ごちゃごちゃとした感じなのですが、北京は道幅が広く大きな広場もありとにかく広いという印象でした。町によって雰囲気が違うのも中国の魅力だと思います。

SA中の旅行で訪れた杭州の西湖

上海の魯迅公園。水で地面に字を書く人(魯迅公園には芸術的な方がたくさんいるそうです。)

Q4.渡辺先生が思う国際文化学部の魅力を教えてください。

様々な科目の学習を通じて、自分の可能性を大きく広げることができる学部だと思います。私自身、入学するまでは語学には興味がありましたが、情報などの他のことにはあまり興味がありませんでした。国際文化学部に入って必修で情報の授業を受けて、楽しく感じ自分はこういうことにも興味があるんだなと気付きました。自分の興味や新しい関心を掘り起こしてくれる学部だなと思います。
現在、教員として中国語のeラーニング教材(※2)の開発なども行っています。国際文化学部で語学も情報も学んだからこそ、その両方の面白さに目覚め、文系や理系の分野を融合させながら教育や研究を行っています。しかも、国際文化学部には各分野の専門の先生が沢山いらっしゃるので、自分の興味関心に合わせて勉強するには最適の学部だと思います。

※2 eラーニング:インターネットなどを利用した学習

Q5.国際文化学部を目指す高校生へのメッセージをお願いします。

国際文化学部は、皆さんの興味や知的好奇心を刺激してくれる学部です。是非一緒に勉強しませんか。お待ちしています。

欢迎来到法政大学国际文化学部,让我们一起学习世界的文化吧!
(国際文化学部でお待ちしています。一緒に世界の文化を学びましょう!)

渡辺先生、ありがとうございました!

渡辺先生がオープンキャンパススタッフやSA、ゼミなど大学生活で様々な活動をされていたことが伝わるインタビューでした。また、先生の大学生活を通して、国際文化学部の魅力も伝えられたのではないかと思います。
今回の教員インタビューを通して、国際文化学部の学びをより具体的にイメージして頂けたら嬉しいです。

執筆者:古池萌

2017年度